恋する白虎
美雨は机の上のDVDを素早く手に取ると、身を翻して駆け出した。

どうしてよっ!?

どうして…!

わ……。

わかってる……。

本当は、分かってるんだ。

わかってるよ。

杏樹は外見だけじゃなく、心が綺麗だもの。

私は、そうじゃない。

私は……そうじゃないから、愛されないんだ。

美雨は、誰よりも自分を憎んだ。
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