恋する白虎
するとまたしても、お札とやらをドアに勢いよく貼り付けて、杏樹は永舜を無言で睨み、ドアを閉めた。

ふん、懲りもせず、こんな紙切れを。

永舜は、チラリとそれを見てから眉を寄せた。

なんだ!

前に『白虎退散』と書いていた場所に、『変態白虎退散』と、新に書き直されているではないか!

なにが、『変態白虎』だ!

愛する女を抱きたいと思って、何が悪いんだ。

男はそんなもんだろう!

白虎だって、変わらない。

永舜は、憮然として腕を組んでいたが、前回同様、その紙切れを引きちぎってクシャクシャにし、口の中に放り込んだ。
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