恋する白虎
言うや否や寝台の布団をまくりあげ、杏樹を両腕で抱き上げた。

「きゃあ!」

「杏樹」

思わず永舜は立ち上がり、杏樹を見た。

そんな永舜に、永蒼は、

「散歩だ、散歩。な、アンジュ」

ニヤリと片側の口角をあげて微笑んだ。

「兄上!杏樹は、病み上がりだぞ」

永蒼は、挑戦的な笑みを浮かべて弟を斜めに見た。

「大丈夫だ、歩かせやしない。ずっと抱いててやる」

永舜は、兄の背中を見送りながら唇を噛みしめた。


杏樹……。















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