恋する白虎
「本気になった相手にはめっぽう弱いタチですか?」

……こいつは、俺を助ける気があるのか、ないのか、どっちなんだ。

永舜は咳払いをした。

「杏樹は、特別なんだ」

あいつは、今までに出逢った女達とは全然違うんだ。

美しいのにそれに気付かず、危ないくらいに純粋で、無垢で、汚れを知らなくて……。

リンは、クスリと笑った。

「なんだ」

「可愛らしいんですね、永舜さまって!」

こいつ!からかうな。

永舜は、リンの首に手を回すと、グイッと引き寄せてその額を小突いた。
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