恋する白虎
「おい!」

永蒼は、眼を見開いた。

「バカがっ!!」

永蒼に突進しようとしていた鴆を、リンが両手で捕まえ、自分の体に抱いて絞め殺したのだ。

瞬く間にリンの掌や腕は皮膚がただれ、胸から腹にかけて大きく傷つき、永蒼の見る限り、かなりの深手である。

「おい、しっかりしろ!」

永蒼は、リンを抱き起こして叫んだ。

「永蒼さま……良かった、お怪我がなくて」

「何考えてるんだお前はっ!」

リンは力なく笑った。

「だって、愛してるんですもの、永蒼さまを」

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