恋する白虎
バイト先のカフェを出ると、外は土砂降りだった。

…参ったな。

千里は彼氏の家がすぐ近くで、迎えに来てもらっていた。

千里の彼とは杏樹も顔馴染みだった。

「西原さん、傘使いなよ」

「あ、すみませんっ」

すごく助かる!

だって私は歩いて20分もかかるんだもの。

店の裏口で、二人と別れて杏樹は歩き出した。

その時、

「杏樹」

ん?
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