あなたの一番大切な人(1)
 「ミッドレーに感謝するんだな。あいつが体内から麻薬成分を抽出したおかげでお前は健全な身体に戻れたんだぞ。だいたい、麻薬の説教を俺にしたお前がなぜ麻薬を使用したんだ。まあ、説教はお前自身が身体で体験したから周囲に被害をださないためだと思うけどな。ちょっとした好奇心でとんでもないものに手をだしたものだな。」

 私はその言葉を聞き、とっさに反論しようとしたが、ミッドレーの間の抜けた声に遮られた。

 「チェスカさん、麻薬を配ってる男のこと、ご存じですか?」

 私は彼の手を振り払い、赤いマントの男を見つめた。

 彼が言ってる男が一体誰のことを指しているのかわからなかった。

 ミッドレーはいいにくそうに頭を掻きながら、切り出した。

 「確信はないんですが、おそらくあなたのお相手の方ですよ。」

 その言葉を聞いて、私はぐっと唇をかんだ。

 昨日も、麻薬をねだって意に沿わぬ奉仕活動をしたところだったので、相手の顔ははっきりと覚えていた。

 私の顔色の変化をいち早く察知した国王は、ミッドレーの方を向いた。

 「お前、まだ何か隠してるのか。はやく知りえたことをすべて答えろ。」

 ミッドレーは再び国王が怒りの矛先を自分に向けたのでたじろいだ。

 「だ、だからそれは…」
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