あなたの一番大切な人(1)
塀の向こうの城の姿を見ることができるのは、限られたものだけである。
中でも城の内部を知る人は、街の総居住者の500分の1ほどである。
しかし、その城には街中の人が収まるだけのスペースがあった。
また、城中の装飾品を金銭に換えると、全員の一生分の生活をまかなうことができるとまで言われていた。
大きな門をくぐり、城内に入ると、すぐに大きな4つの分岐路がある。
その左端を進むと小さな客間があり、そこを過ぎた先にあるらせん階段を上りきると、赤いじゅうたんの先には王の謁見室がある。
そしてその奥には数名しか入ることを許されていない国王の居室がある。
部屋の奥は一面強化ガラスでできた大きな窓があり、国王はそこから浴びる朝日を好んでいた。
今はそこに映る大きな黄色い満月を眺めていた。
一言添えておくが、国王は月を見て恋人を思い出すほど風情がある人間ではない。
それどころか、喧噪や乱闘を好み、自分に従わない者は武力を持ってして屈服させてきた。
自然を愛するより、女と酒に溺れた毎日を送っていた。
いわば、普通の男であった。
中でも城の内部を知る人は、街の総居住者の500分の1ほどである。
しかし、その城には街中の人が収まるだけのスペースがあった。
また、城中の装飾品を金銭に換えると、全員の一生分の生活をまかなうことができるとまで言われていた。
大きな門をくぐり、城内に入ると、すぐに大きな4つの分岐路がある。
その左端を進むと小さな客間があり、そこを過ぎた先にあるらせん階段を上りきると、赤いじゅうたんの先には王の謁見室がある。
そしてその奥には数名しか入ることを許されていない国王の居室がある。
部屋の奥は一面強化ガラスでできた大きな窓があり、国王はそこから浴びる朝日を好んでいた。
今はそこに映る大きな黄色い満月を眺めていた。
一言添えておくが、国王は月を見て恋人を思い出すほど風情がある人間ではない。
それどころか、喧噪や乱闘を好み、自分に従わない者は武力を持ってして屈服させてきた。
自然を愛するより、女と酒に溺れた毎日を送っていた。
いわば、普通の男であった。