千年の時空を越えて
すれ違い~総司Side~






禁門の変と言われた、長州征伐は、京都の街を火の海にしてしまう惨事だった。





僕達は、残党を捕らえるため動いていた。






雪、大丈夫かな・・・。





丞ちゃんと空へ飛んで行ったのを思い出し溜め息をつく。





ああいう摩訶不思議なカラクリを見ると、やっぱり雪は、未来から来たのだと思わざる得ない。










そして、屯所へ戻っても、まだ、丞ちゃんと雪は戻ってきていなかった。







左「雪達、遅くないか・・・?」






平「何かあったとか・・・?」




一「二人に限って大丈夫でしょう・・・。今回は、救出なんですよね?」





土「あぁ・・・。」




すると、丞ちゃんが一人で、帰ってくる。






丞「ただいま戻りました。」





総「え・・・。丞ちゃん一人ですか?・・・。雪は?」





丞「それが・・・。」







雪が救出したのは、長州藩 高杉 晋作。敵陣に乗り込んで、彼を助けたのだと。しかも、敵すなわち僕らに何らかの情報を流すと。しかも、彼の女になれって・・・。




どういうこと・・・?





裏切り?そんな事をしたら切腹なのは彼女だってわかっているはずなのにどうして・・・。





しかも、彼女は、独り言で、助ける人に会うのが楽しみと言っていた。





もう訳がわからない。皆も同じような複雑そうな顔つきだった。






土「オイ。山崎。雪は、何かこちらの情報を漏らしたか?」




丞「いえ。隊服は、敵陣に入る前に脱ぎ、男から女の姿になっていました。話しも、吉田 松陰の話しで盛り上がっていました。あと戻るとは言っていましたが・・・。」






うーんと土方さんが悩んでいる。






新「本当に帰ってくるのか?それ・・・。だって、帰って来たら切腹の可能性が大きいじゃねぇか・・・。」





土「とりあえず、戻ると言ったんだろ?明日の昼までに帰って来なければ、探しに行こう。」






そこで、解散になった。僕は、落ち着かなくて、門の前で、待っていた。















すると、彼女の姿が見えた。もしかしたら殺される可能性だってあったわけだから彼女が帰って来てホッとした。






どんどん、近くなって、彼女の表情が見えてくると、疲れてはいるが、晴れ晴れしたよう顔つきだった。






その表情を見ていると、敵を助けた事、高杉と楽しく話をする雪を想像するとだんだん、腹が立ってきた。








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