千年の時空を越えて
反省会~土方・総司・山崎side~





土方の部屋に3人が集まる。




3人共、殺気まみれだ。




総司「どういうことですか?お二人とも・・・。土方さんにおいては、何かしたら、許さないと言っておいたはずですが・・・。」



僕は、怒りが収まらない。




土方「俺は、お前から、雪を奪うと言った。」



そう・・・。もう、雪に想いを告げた。後戻りなんて出来ねぇ。




丞「勝手に、話が、進んでるみたいですけど、出し抜きは、よくないですよ。俺かて、雪に、想いを告げたいのを、雪の事考えて、我慢したんやし。」



副長の気持ちは、知ってたけど、まさか、行動に出るとは、思わんかった。




ちと、油断した。



もう、油断したら、あかんっちゅう事はわかった。




総司「そもそも、二人とも、おかしいですよ?雪の恋仲は、僕だし、雪が、想ってるのも僕なんです!雪に余計なちょっかい出さないでくれますか?」




そう・・・。二人とも、ハナから、おかしい事言ってるって気付きなよ。




丞「なんや?ちょっかい出されると、持っていかれそうで、怖いんか?」




俺は、総司を挑発する。



それに、土方さんも乗った。




土方「だから、総司は、俺らが、雪に、近付くのが許せねぇのか?普通、信じて、相思相愛なら、ここまで、うるさく言わねぇだろ?」




不安だから、だろ?




総司「違います。雪の事は、信じてます!でも、ぼ・く・の・雪に触れられるのは、我慢出来ません。面白くありません。これは、普通だと思いますが?」



二人は、僕の不安を煽る作戦だ・・・。




そして、売り言葉に買い言葉で、雪の側にいる事を、恋仲の僕に許可を得るつもりだ。





そうは、させない。




どんな事であれ、雪の近くに男がいるのを黙認なんて、出来ない。


土方「“僕の”ねぇ・・・。まぁ、今回は、俺も、少し焦った所があった。それは、反省すべき事柄だ。しかし・・・。雪に、気持ちを、告げた事に、後悔はねぇ・・・。」




宣戦布告だ。総司よ・・・。




青くせぇガキには、負けねぇ・・・。




丞「俺かて、出遅れたけど、挽回するからな!俺の嫁さんにしてみせる!」




土方副長に、沖田組長ってどんだけ、強い恋敵やねん。




でも・・・。




絶対、負けへんで。




男の誇りにかけて、雪を奪う!




丞「ほな、失礼します。」




俺は、言いたいこと言って出てきた。




ほんまは雪の側におりたいけど、残ってるお役目もあるし、何故か、俺らが、長州行ってる間に、雪の部屋は、総司と同じ部屋になってた。




総司の部屋に行くのもおかしな話やし、お役目先に済ましてしまお。



俺は、屯所を出た。





総司「僕も、部屋に戻ります。土方さん・・・。雪に何かしたら、今度は、刀を抜きますから・・・。」




僕は、土方さんを睨んだ。




フッと、一瞬、土方さんが笑い、



土方「望むところだ・・・。」




と言った。




この人は、全く、反省してない。




雪は、僕のだ・・・。




僕は、雪の顔を見たくて、足早に、自分の部屋に戻った。








閉められた襖を見つめて、俺は、自分の行動に苦笑いした。





土方「何で、色恋沙汰で、俺は、こんなにアツくなってんだ?」




でも・・・。




俺は、胸を掴み思う。




雪が、総司といちゃついてるのを見ると、ここが、ムカムカする。




土方「それだけ、本気ってことか・・・。」




俺は、初めての気持ちにもう一度、苦笑いした。
< 355 / 481 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop