3つ星物語
古瀬玖生、17歳。
 
先程ルミが言った南生と紗生とは、私の3つ子の三姉妹だ。
 
3人とも顔はそっくりで、クラスとも違えど、学校も一緒。
 
肩ほどに伸びた、栗色の髪の毛、ぱっちりの二重まぶた、色白なところは3人の共通点だ。
 
この間、売り出し中のアイドルをテレビで見たけれど、その子よりも南生、紗生の方がずっと可愛らしく見えた。
 
私たち3つ子は、それなりに、それなりの顔かたちなのだろう。
 
顔立ちは面白いほど似ているのに、性格はまるで違う。
 
長女である南生はおっとり癒し系で、趣味はお菓子作り。
 
次女の紗生は淡白で寡黙で、趣味は読書。
 
そして末っ子の私は活発系爆発型で、趣味は……楽しいことなら、なんでも。
 
私は今日も街へ繰り出して、どこかの男子高校生に声をかけ、暇つぶしにカラオケにでも誘おうと考えていた。
 
迫ってきたルミをすり抜け、私は独りで校門を出、街なかへと飛び出した。
 
駅の前には長方形の石が3本合わさった三角形のオブジェの前に私はたどり着いた。
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