続・元殺し屋と、殺し屋






「いかがですか、姫」

「上出来よ。
ただ、小松恭真の姿が見当たらないの」

「そうでしたか…。
大丈夫ですよ姫。
おれの計画は完璧ですから」

「ありがとう大地。
文化祭で、決着を付けるわ。
ちーちゃんも、記憶戻っていないんでしょ?」

「ええ。そのはずです。
おれの父親が作った薬、効きますでしょう?」

「じゃ、文化祭で会いましょ?」




姫は暗闇の中歩き、やがて見えなくなった。






本当、おれは姫が大好きだ。

姫に依存している。

姫がいなくちゃ、生きていけない。




ずっと1人だった。

おれの世界に、光を差した姫。

…今度はおれの番だ。

おれが姫の光になろう。





男しか考えない母親よりも。

人間より薬を愛する父親よりも。

仕事でしかおれを見ない使用人よりも。

…姫が良い。

姫しか愛せない。

姫…ずっと、おれの傍にいて。

おれを照らす光になって。



笑顔でいて…姫。







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