続・元殺し屋と、殺し屋








「聞かせて恭真クン。
あたしと大地の計画を…」



頷いた恭真は、話し出す。




「お前と大地の出会った経緯は調べていないからわからない。
ただ、大方の予想はつく。

お前は幼少期から男子にモテた。
その上両親はお前を愛しすぎるあまり、お前がイラナイと判断した奴を片っ端から殺した。
そんな異常空間で育ったお前は、愛されることが当たり前だったんだ。

それに比べ新野大地は、母親は常に他の男と遊び、父親は薬を作ることに夢中。
関島とは違う異常空間で育った新野は、愛されたことがなかった。

このような家庭環境を見る限り、愛され続けた関島が、愛されたことのない新野に話しかけたんだろ。
それで新野が初めて自分に話しかけてきてくれた関島に感動して、ずっと傍で支えることを誓ったんだろうな」




図星なのか、大地の顔から笑みが消える。

初めて、孤独な自分に話しかけてきてくれたさっちゃん。

その嬉しさは、忠誠を誓うまでの嬉しさだったんだ。

愛されたことがないからこそ、愛されたかった―――…。





「ある日関島は、従姉妹である知紗と、その彼氏である俺をファミレスで見かける。
関島は恐らくあの時、俺のことが好きになったんだろ。

今まで男が自分に惚れないことのなかった関島は、俺を知紗から奪う計画をたてた。
そしてその時に使ったのが、関島の願いなら例え犯罪でも聞くと決めていた新野だった。

新野は転校してまで知紗に告白した。
恐らく、知紗を新野に惚れさせ、知紗が俺を裏切るという計画だったんだろうな。
だから新野は知紗にアプローチし、同時に新野と知紗が仲良くしている姿を俺に見せつけ、喧嘩するよう仕向けた」




あれが計画?

…告白なんてあり得ないと思ったけど、まさか本当に嘘だったんだ。

何だか、ショック……。





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