続・元殺し屋と、殺し屋






片付けなどを早く済ませ、チサと恭真は楽屋を飛び出す。

学校を抜け出し向かった先は、この辺でも大きなお屋敷。

知る人が少ない原因は、そのお屋敷が深い森の中にあるからだろう。





『ピーンポーン』




インターフォンを鳴らすと、学校にいるはずの彼が出てきた。

驚いた顔をしていたけど、中へ通してくれた。




案内された客間は、チサが眠っていた場所。

殺風景な、でも薬品の匂い漂う不思議な場所だ。






「先客がいるんですよ。
その人もお呼びしますね?」




出会った時と同じよう、敬語で彼―――新野大地は接する。

客間を出て行き、再び入って来た時、その横には見慣れた人がいた。

彼女は不敵な笑みを浮かべながら、恭真の前に座る。




「ここに来たってことは、わかっていたのね?
全ての計画が…」



彼女―――関島早苗は、ニヤリと笑う。




「全てわかった。
お前が俺と付き合うために、新野を使ったこともな」

「人聞きが悪いわ。
大地はあたしのために動いてくれたのよ?」

「そうですよキョウくん?
おれは姫のためなら、犯罪も躊躇わない。
姫が望むことは、何でもしますよ」




接点がないように思えたさっちゃんと大地。

それなのに、まさか主と従者の関係だったなんて。

2人の異様なほどの依存関係に、事情も知らないまま来たチサは驚いた。






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