続・元殺し屋と、殺し屋
するとそこには。
モワモワの黒髪、ヨレヨレの服を着た、氷さんが鼻を抑えながら立っていた。
「氷さん!?どうしたんですか?」
「お、おはよう…紅羽。
朝来て、チャイム押そうとしたら…紅羽が扉開けたんだ」
「ご、ごめんなさい氷さん!
てか大丈夫ですか!?」
「だ、大丈夫…」
前の氷さんは、朝声をかけると、かなり機嫌が悪かった。
たまに、ナイフをちらつかせるほど。
でも今は、朝が前より強くなったみたい。
口調も穏やかだし。
機嫌が悪い時の氷さんは、かなり口調が悪いから。
「てか、そんな話している暇はないんだよ紅羽!」
トナカイみたいに真っ赤になった鼻をしながら、氷さんが語る。
そうだ、何の用だったんだろう?
「朝のニュース見た!?殺人事件の!」
「××通りでの話ですか?
近くに男子高校生が手首と手、肩を刺されて倒れていたって」
それがどうしたの?
「その男子高校生が、澪鵺なんだ!!」
氷さんから聞いた私は。
…放心した。