続・元殺し屋と、殺し屋





その日からお昼は一緒に食べた。

帰りも、わざわざ大地は校門前で待ち、一緒に帰宅した。

大地の家は学校にチサより近いため、すぐ別れちゃうけど。

夜遅くまで劇の練習をしているチサたちを、嫌な顔一つせずに待ってくれている。

しかも毎回、校門前であったかいココアなどを奢ってくれる。

悪いな、と思いながらも寒いので、毎回ありがたく頂いている。



ただ。

恭真の機嫌は最近悪い。

恭真曰(いわ)く大地は馴れ馴れしいらしく、あんまり関わってほしくないみたい。

そんな恭真も、大地が奢るココアには弱いみたいで、小さくお礼を言いながら飲んでいる。

素直になれば良いのに…。





ある日。

劇の練習も終わり帰ろうとすると。

恭真がいない。

神崎たちに聞くと、先ほど見知らぬ女子生徒に連れられたらしい。

きっと告白だろうな。

待とうかなと思ったけど、恭真が可愛い子に告白されている姿を思い浮かべ、嫌な気持ちになったので、帰ることにした。

大地も校門前で待っているはずだし。

しかも、大地の奢るココアに最近ハマっている。

だから、ココアが飲みたいせいもあった。





「大地、お待たせ」

「お疲れ様知紗。キョウくんは?」



恭真は嫌がっているけど、大地は恭真をキョウくんと呼ぶ。



「女子生徒に呼ばれたみたい。
多分いつも通り告白じゃない?
恭真モテるからさ…」



ココアの缶を開けながら、溜息を吐く。

だいぶ寒くなって来て、息が白い。






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