シオンズアイズ
香は、次に響いた艶めいた声を聞いて全身が硬直した。

この声は……!

思わず口に手をあてがい、腹這いのままで視線だけをあげた。

ああ、この声は……!

「どうした?歩けないのに何故窓辺へ?」

シリウスの声が響く。

「月が見たかっただけ」

シオンが冷たく言葉を返した。

「俺も見ようかな。今日は慌ただしくて空を見てなかった」

声と共に、窓の布が大きく開き、シリウスの姿が現れた。

「……っ!!」

香は心臓が大きく音をたてるのを感じた。

剣清……!
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