シオンズアイズ
「香…」

シオンは泣きそうになった。

ここ、どこよ?

目の前には大草原が広がり、方々に大きな岩の塊がある。

花も美しく咲き誇り、まるで自分達の住んでいる世界と何ら変わりは無かった。

「七色の瞳の乙女よ!」

「ああ、巫女レイアの予言は正しかったのね」

不意に耳元で声がして、シオンはビクッとした。

なに、誰っ?

すると急に目前の空間がキラキラしたかと思うと、小さな小さな人型が浮かび上がり、次第に濃くなって完全な人間になった。
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