M&H

「ああ!もう!わっかんねーよ!
ハルちゃん…教えて?」

ハルちゃんに子犬のように目をうるうるさせた視線を送る一貴


「三波く~ん…全部わかんない…」


絶望してる美波


「はぁ。」

苦笑いが混じった溜息を思わずこぼしてしまう

これじゃ勉強会っていうか

美波と一貴の塾だな


「でも全国模試1位と88位が揃ってるなら心強いな!」

一貴…お前…

「俺のこと貶してる?」

「いやいや!そんな怖い顔してんなって!
88位でも十分すごいだろ!二桁だぞ!二桁!俺なんかっ」

「お前の順位なんかわかりきってる。」

「はい…」


シュンとする一貴。

でももはや下から数えた方が早い一貴の順位なんて聞いても苦笑いしか出ない


こいつもよく青城に入れたよな。



「三波くん!ここ教えてー!」

と、美波の声が聞こえたので

分かり易いように説明する


チラッとハルちゃんの方に視線を移すと


「もう、一貴に教えてばっかりじゃ私が勉強できないじゃない。」

「そんなこといわないで教えてよ~(涙)」


一貴と言い合っていた


ようやく最近俺たちに敬語がとれたハルちゃん。


でも一貴と俺の決定的な違いは…
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