私の師匠は沖田総司です【下】

「天宮さん、迎えに来たよ。坂本を倒したらすぐ屯所に連れて帰るからね」

「なにまた訳の分からないことを……」

「覚えてないかもしれないけど、僕と君は仲間だったんだよ。天宮さんはこっち側の人間なんだ。坂本は僕たちの敵なんだよ」

「え……?それ、どういう……」

「蒼蝶、こいつの言葉を信じるな!」

「は、はい」

「ちょっと、坂本。邪魔しないでよ」

「邪魔してんのはおまえだろうが!」

一気に斬りかかり、刃を交わらせる。

「蒼蝶を裏切ったのに今さら仲間面してんじゃねえよ!」

「わかってる……。だからこそ天宮さんへの罪滅ぼしをしたいんだ」

互いに距離を取ると、組長さんはみたことのない独特の構えを取って突っ込んでくる。

そして、左足がでると同時に素早い突きが放たれた。

刀で攻撃を防いだが、そのままの勢いで二撃目三撃目の突きが襲い掛かってくる。

全ての攻撃を躱したり防ぐと、組長さんが感心そうに声を漏らした。
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