私の師匠は沖田総司です【下】

「っ……」

肩を掴む土方さんの手に力が込められる。でも、その力はすぐに緩められました。

「俺たちは、仲間じゃねえのか……?」

「……」

「おまえにとって俺は仲間じゃねえのかよ……」

仲間、ですよ。

私にとって土方さんは大切な仲間です。

だから……、だから言えないんですよ。

手が肩から滑り落ちる。どこか怒りと落胆を感じさせるような表情をした土方さんは私に背を向けました。

「しばらく、屯所に帰って来るな。おまえの顔を見たくねえ」

突き放すような言葉。

その言葉が胸を抉(エグ)る。

土方さんにそう言わせてしまったのは私だ。

だから私は遠くなる土方さんの背を呼びとめることも、引きとめることもできませんでした。
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