ポーカーフェイス
コン、コン、コン。

カチャ。

真離「失礼します。」

社長は真離を手招きして正面の椅子を自分の隣へと移動した。

社長「はい、真離ちゃん。ここに座ってください。」

真離はにやっと笑ってその席に座る。

社長も隣へと座り口を開く。

社長「真離ちゃん。辞めても良いけど、情報だけは頼むからもらさないでくれ。」

社長がそうお願いすると真離は社長の前に片手を差し出し、もう一方の手で自分の手の平を二回軽く叩いた。

社長は真離の笑う顔をみて笑う。
社長「はい。いくら?」

真離はにっこり笑ってさくりと答えた。

真離「5000万。」

社長は深くため息をつく。

社長「はー。」

真離「無理なら暴露されても仕方ないです。」
真離はそう言うと、しぶしぶ社長は立ち上がり金庫から小切手を取りだし真離に手渡した。

真離「毎度。笑」
ギャグ風に真離がそう言って笑う。

社長「負けたよ、真離には。いつかそうなると思って用意してたんだよ。」
苦笑いをしてそう言葉をかけ社長は真離の引き留めを潔く諦めた。

真離は席を立ち上がり軽く社長に向かって礼をした。
真離「お世話になりました。お買い上げありがとうございました。」

そう言葉をかけたのがその組織にいた真離の最後の言葉となった。
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