ポーカーフェイス
車が移動する最中、真離は窓の外をじっと眺めていた。
普通に手を繋いで歩くカップルに、世話しなく仕事場から移動するサラリーマン。
そんな当たり前の景色が真離には何だか遠い景色のように映っていた。

真離の脳裏を和樹の面影が支配しそうになった。

真離は頭の中でそんな和樹の姿をかき消した。

真離(…和樹はもう過去の人。)

そんな風に考えていると車は城之内の指示した高級フレンチの店へと到着した。

二人は佐竹の車を降りて店の中へと入る。
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