スウィート(!?)シェアハウス~2人の秘密の同居生活~
夕方、会議室の時刻は17時30分を過ぎていて、私はノートパソコンを使って自主学習を始め、荒木さんは三輪さんからのスマホの呼び出しで1階にいっており、会議室には中畑さんと山田先輩と佐藤さんもいて、他も数名が会議室にいる。

荒木さんから言われた見学させて貰う取材が全部で3つで、直近は鷲尾さんという男性がある球団の用具係を数十年携わっており、荒木さんは自分の個人の企画(支える人)として取材を続けていて、シンクロといい球宴の出張といい、荒木さんが抱えている仕事って多いんだな。

先ずは鷲尾さんが携わっている球団を調べてみて、球団の歴史や話題になっている出来事を見つけてみようと検索し、球団のホームページをじっくりと1つづつ項目を読んで、気になったことはルーズリーフにメモをする。

会議室のドアが開いて荒木さんと黒い服を着た三輪さんが入ってきて、2人は上座の席に座ると、三輪さんは私に気づいてブスッとした。

「ひよっこがここにいるのは聞いてねぇ」
「それは亮二には関係ないし、今は表紙の写真から決めるからこっちに集中して。先ずは中畑から話をお願い」
「は、はい。先ずは写真をありがとうございます。候補はこの3枚をー…」

荒木さんがぴしゃりと三輪さんに注意し、中畑さんは荒木さんの雰囲気に引きつつも話し合いを始め、私も気を取り直して自主学習に集中する。

球団の歴史って40年か、お父さんの世代ってどんな球団が人気だったのかな?後で電話して話を参考にしたいな。ユニフォームも年代によってデザインも変化していて、グッズにはグローブや帽子、バットは原寸大じゃないけど、玩具としてプラスチック性のバットがあるんだ。

ボールは硬球と、ファンが選手のサインを貰えるように少し軽めに作られた物があるのか…他にも球団の選手のページを見たり、選手の記録を調べたりと、私なりに調べて感じたことをルーズリーフに書いていく。

その枚数は3枚ほどになり、よし、シェアハウスに帰ったらバインダーに入れて、次は宿題に取り掛かろうっとバックから荒木さんにチェックしてもらい真っ赤になって返却された宿題の紙束を取り出して、2つ目の宿題に取り掛かった。

2つ目の宿題は女性の読者に注目して欲しい企画を考えることで、読者アンケートの声に寄せられた女性のコメントを読み、この人のコメントと、こっちも参考にしてアイディアを考える。

「お前のセンスが分かんねぇ」
「亮二に言われたくないし、デザインは中畑が1番分かっているし、1枚目と7枚目のどっち?」

なんか荒木さんと三輪さんが険悪で黒いオーラというか、火花がバチッと見えるし、中畑さん達3人は困惑しているし、どうしたのか、私の隣で原稿を書いている水野先輩に聞いてみようかな。

「荒木編集長達はどうしたんですか?」
「雑誌のタイトルの位置や、記事の見出しの位置で写真の印象が変わるから、表紙に使う写真をどっちにするかで20分揉めてる」
「に、20分も?!」

小声で話し、荒木さん達が険悪な雰囲気の原因を知って驚く。

「おい、ひよっこはどっちの写真が良いと思うんだよ?」
「私ですか?」

何故、私を巻き込むの?!と顔が強張る。

「宝条さんを巻き込むのは違うだろ」
「黙ってろよ。俺はひよっこに聞いてんだ!」
「答えなくていい。宝条さんは自分の宿題をやって」
「えっと…」
「少し頭を冷やしてくるから、亮二も一緒に出て」
「ちっ」

荒木さんが三輪さんに注意すると、三輪さんは舌打ちしながら席を立ち、先に会議室を出て行くと、荒木さんがふぅっと溜め息を吐いて席を立つ。

「3人とも悪いけど、10分だけ亮二と話してくる。佐藤はこの後バトミントンの記事の写真の話になるけど、俺が間に入るから安心して」
「分かりました。何とか三輪さんに押されないように気持ちを持たせます」
「うん。じゃあ、行ってくる」

荒木さんが会議室を出て行くと、中畑さん達はぐったりする。
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