スウィート(!?)シェアハウス~2人の秘密の同居生活~
女性の読者を増やすために私が届けたい言葉をノートを見ながら考えて、ノートパソコンのキーボードを打ち込む。

「この内容で進めるから、仮印刷をされた表紙が出来たら連絡する」
「分かった。次はお前の取材の現場でだな」
「そう。集合時間と場所はこの前メッセージで伝えた通り。下まで見送る」
「分かった」

2人が会議室を出ていくと、私は三輪さんが出ていったことに安堵する。

荒木さんから仕事上の付き合いや三輪さんの写真が必要って言うのは分かるけど、こんなにも体がビクッとする位の拒否反応を持っているし、出来ることなら会わないで済みたいけど、きっと取材の現場で会うだろうし、これが荒木さんが言っていた相なれない部分なのかな。

小さい溜め息をつきながら入力し続けていたら会議室のドアが開かれて荒木さんが入ってきて、3人の元に行き、再度話し合いを続けた。

今日はこの辺までにして帰ろうと思い、片付けを始める。

「荒木編集長、お話中のところすいません。先に上がります」
「……分かった。俺も2階の編集部に行くから、中畑達も付き合ってくれてありがと。上がっていいし、お疲れ」
「お疲れ様でした」

荒木さんは3人に労りの言葉を言うと荷物を纏め、私は先に先輩達に挨拶をして会議室を出た。

とぼとぼと廊下を歩いて階段を降りようとしたら頭の上にポンと手が置かれたので見上げると、荒木さんがいて、手が離れると私の隣に並び一緒に階段を降りる。

「一緒に帰れないけど、帰ったらホットミルクを飲む?」
「はい、今日はゆっくりしたいです」
「そうしよう。気を付けて帰って」
「はい。また後で」

2階の所で荒木さんと別れ、1階に降りて四つ葉のロビーを歩いてると喫煙エリアで煙草を吸う三輪さんがいて、また心臓がドクンー…となり、体もビクッと反応する。

「お疲れ様です、お先に失礼します」

挨拶をして早くここを出ようと足早に三輪さんの前を通り過ぎようとする。

「待て」
「えっ、ちょ…」

三輪さんが急に私の左腕を掴んでそのまま四つ葉を出て、1台のバイクの側まで来たけど、まだ私の腕を離さないからキッと睨みながら三輪さんを見上げる。

「離してください!」
「俺の名刺はどうした?」
「名刺?!」
「この前サッカーの撮影の時に渡しただろ?」

名刺?名刺…あぁ、思い出した。でもそれってー…

「荒木編集長が持ってます」
「はぁ?」
「『俺が預かってもいい?』で、荒木編集長が私から取り上げて、それ以降はどうなったか知りません」
「あいつ…」
「あの、手を離して下さい」

名刺の行方を話したら三輪さんはブスッとするも、全く手を離そうとしない。

どうしよう、怖い…、誰か…、目をギュッと瞑って助けて欲しい人を心の中で呟いた。

荒kー…
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