スウィート(!?)シェアハウス~2人の秘密の同居生活~
出された食事たちと飲み物で乾杯をして、私はサンドイッチを頬張り、“社会科見学”の話しを続けた。

「高坂専務が考えそうなお出かけですね」
「初めて野球施設でスポーツを観たんですが、荒木編集長がずっと解説してくれて、とても楽しくて、あっという間でした」
「えぇ、荒木編集長も一緒だったんですか?!」

九条さんがパスタを絡めているフォークをピタッと止めたけど、そんなに驚くこと?

「はい。高坂専務が全員でって大きな部屋を予約していただいて、その野球施設で取材をしていた荒木編集長が遅れて合流したんです」
「四つ葉の編集部にいてもそんな話しをしていなかったですし、こう…イメージ的にインドアぽくて」

九条さんが再びフォークを動かして、パクっと口に含む。

「総務課でも『荒木編集長のプライベートは謎ばかりで、知りたいような知りたくないような』って話題がありました」
「私がファッション部にいた時は、同僚が水瀬編集長に荒木編集長に彼女がいるかについて質問をしたら“俺だって知りたいけど、仁に彼女が出来たら相手を凄く大事にしそうだよね”って…宝条さん、どうしました?」
「……いえ、日当たりが良くて熱くなってきたと思います」

私は九条さんの話で水瀬編集長が『相手を凄く大事にしそうだよね』と言った言葉に顔が赤くなったのは、実際荒木さんは焦げた炒り玉子にケチャップをかけてくれたり、ホットミルクを作ってくれたり、宿題に焦って落ち込んでいたら甘えさせてくれたりと、沢山の愛情を注いでくれてるんだと改めて思い、手でパタパタと顔を仰ぐ。

「九条さんの彼氏さんは、2人でいるとどうなんですか?」

星野さんがバケットにバターを塗りながら九条さんに問いかけ、恋バナ時間のスタートになる。

「彼氏さんは四つ葉の人ですか?」
「いいえ。きっかけは私がファッション部からタウン情報部に異動となって、季刊を書く時に訪れた海がとても綺麗な街で出会ったんです」

そこから九条さんが季刊を通して出会った人たちのことを話しをしてくれた。
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