スウィート(!?)シェアハウス~2人の秘密の同居生活~
「兄ちゃんが久しぶりに実家に来てくれたのが嬉しかった」
「短い間だったけど」
「それでもさ、俺は嬉しかったし、今度は宝条さんを連れて遊びに来てよ」
「良いんですか?」

荒木さんの実家ってどんな所だろう。

「遊びに来るのは大歓迎よ!不動産の奥のスペースが家に繋がっていて、不動産業の定休日が水曜日だから、仕事が落ち着いたら仁と遊びに来て」

荒木不動産の部分しか知らなかったけど、自宅も兼ねているんだ。一美さんが嬉しそうに言うので、7月号辺りが出たら行けるかな?と荒木さんの方に顔を向ける。

「行くのは良いけど、親父とお袋のテンションの差に宝条さんが驚くと思う」
「あ〜、お袋って姉ちゃんだし、親父は兄ちゃんとテンションがそっくりだもんな」
「そうなんですか?」
「そうよ。お父さんも仁のように静かだし、食卓も今みたいな感じよ」

そ、そうなんだ。荒木さんの家族の話って聞いた事がないけど、テンションの差については想像がつきやすいかも。

「ごちそうさまでした!」
「沢山食べてくれて、ありがとう。兄ちゃんもいっぱい食べてくれて、ホッとした」
「美味しかった。店にも顔を出すようにする」
「待ってるよ」

三斗さんはとても嬉しそうに荒木さんを見ていて、やっぱ兄弟って良いなぁ。

「お父さんが一美さん達にってドーナツを買ってきたので、食べませんか?」
「良いの?」
「ちょっと待って、此処で食べないわよ?」

一美さんがやったぁと喜ぶ三斗さんにストップをかけるけど、どうして?

「さっさと食器を洗って帰る!」
「え、ちょっと、姉ちゃん?」
「え?ええ?」
「………」

私と三斗さんが動揺していると、荒木さんは静かに食器を持ってキッチンに向かうので、私も慌てて食べ終わった食器を持って立ち、キッチンに向かった。

荒木さんがスポンジと洗剤で食器を拭き、私はその横で水で泡を洗い流し、そ〜と荒木さんを見上げるけど、前髪があって表情が分かんないや。

一美さん達も食器を洗い、少し残った料理にラップをかけ、クラムチャウダーもお鍋に蓋をした。

そして一美さんは冷蔵庫からドーナツの箱を取り出して、蓋を開けて覗き、私の方に顔を向ける。

「チョコ味を貰うわね。三斗は?」
「う〜ん、このプレーンかな」
「是非此処で召し上がって下さい」
「ううん、実家でゆっくり食べるから、2人もゆ~っくりとドーナツを食べてね」

一美さんがそう言うと三斗さんがあぁという表情をして、ドーナツの箱から2個を取り出してラップで包む。

「じゃ、俺達は帰るね。兄ちゃんも宝条さんもまたね」

それじゃあと2人はドーナツと荷物を持って、リビングを出ていった。
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