スウィート(!?)シェアハウス~2人の秘密の同居生活~
side荒木仁
井上監督のいる練習施設に高坂さんと向かい、監督室に入る。
「時間をいただいて、ありがとね」
「いいえ。まだ報道陣達の対応がございますのに、我々と会っても宜しかったんでしょうか?」
井上監督が話を切り出すと、高坂さんもこの場を気にしているように、実際俺達が練習施設の所に来た時も報道陣達が入り口に群がっていた。
「ただ視聴率を取りたいだけの報道陣ばかりよ。そんな人達よりも、貴方達との時間が大事よ」
「ありがとうございます」
井上監督がそう言うと、俺はお礼を言う。
「報道を観た通り、今回はキャプテンの遠藤がとても残念な行動をして、申し訳ないわ」
「本人は今はどうされているんですか?」
「自宅よ。暫くは自分でした事を反省する時間が必要ね」
「そうですか…」
井上監督と高坂さんのやり取りを聞き、俺は今回の取材について改めて井上監督に伝えようと口を開く。
「昨日と重なりますがお電話でお伝えしました通り、お忙しい中で取材や見学をさせて頂きましたが、掲載をー…」
その先の言葉を言う前に、少しだけ自分の両手をギュッと握る。
「7月号の掲載を取り下げる、そう決めました」
井上監督にまっすぐ伝え、井上監督はとても悲しい表情をする。
「荒木君の取材が本当に楽しくて、毎月の楽しみだったの」
「勿体ない言葉ですが、ありがとうございます」
「どうしても最後まで続けることは…、その様子だと無いわね」
「ええ。それでも約1年間、シンクロを追いかけた事は忘れません。高坂が季刊を発案しなければ皆さんにお会い出来ませんでしたし、秋山や三輪、新人の宝条にとっても心に残るでしょう」
「……ありがとう。荒木君が取材者で本当に良かったわ」
俺の言葉に、井上監督は小さく笑みを浮かべ、右手を差し出したので、俺も右手を差し出して握手する。
「またねって言いっていいかしら?」
「はい…、選手達が前に進みましたら、また演技を取材させて下さい」
「そうね。きっと年単位でかかるけれど、人として成長した子達を見せるから、秋山君にももっと綺麗に撮って頂戴!と伝えてね」
「伝えます」
井上監督は茶目っ気に言い、最後は笑顔で一時的な別れを交わした。
監督室から出て行き、練習施設を出て、報道陣達の横を通り過ぎ、駐車場に向かい、1台の車の運転席のドアが開かれて、祐一さんが降りて俺達の所に来る。
「お疲れ様」
「本当に疲れた」
「そうだよね。稔もお疲れ」
「俺はただ話を聞いてただけだよ。さ、四つ葉に戻ろうぜ。7月号の締め切りは待ってくれないぞ」
高坂さんがそう言い、俺達は車で移動を始め、俺は助手席で車窓の景色を見る。
「仁」
「何?」
高坂さんから声をかけられ、後ろには振り替えずに返事をする。
「季刊を含め、仁が追いかけていた姿は俺も忘れないよ」
「………うん」
「祐一さ、遠回りで帰れる?」
「良いよ。高速のフードコートに寄って、お昼にしたいな」
「良いじゃん。この前は仁と麺を食べたから、今日はオムライスにしようかな」
「稔が奢って。俺は休み明けで財布が寂しんだよ」
高坂さんと祐一さんがフードコートの話で盛り上がり、俺は2人の気遣いに嬉しく思う。
「稔」
「ん〜?」
「季刊を無茶振りされた時はムカついたけど、俺が1年間追いかけたいって言った時に稔が賛成してくれたのは嬉しかった」
「ど〜いたしまして」
車のサイドミラーから稔の様子はみたら、稔は口調は明るくも表情は少し悲しげでいた。
「稔も素直じゃないな」
「そう?」
「そう」
「まぁ、2か月連続で記事が飛んだからな。今はしんどくても、これがあって対策する事も経験が出来たから良しとしようよ」
「次、誰かが原稿をビリビリに破いたら姫川に一発お見舞いしてもらう」
「ハハッ、良いじゃん。手を痛めるの避けられるし」
少し暗かった車内が明るくなり、俺達は四つ葉に戻るまで話続けた。
井上監督のいる練習施設に高坂さんと向かい、監督室に入る。
「時間をいただいて、ありがとね」
「いいえ。まだ報道陣達の対応がございますのに、我々と会っても宜しかったんでしょうか?」
井上監督が話を切り出すと、高坂さんもこの場を気にしているように、実際俺達が練習施設の所に来た時も報道陣達が入り口に群がっていた。
「ただ視聴率を取りたいだけの報道陣ばかりよ。そんな人達よりも、貴方達との時間が大事よ」
「ありがとうございます」
井上監督がそう言うと、俺はお礼を言う。
「報道を観た通り、今回はキャプテンの遠藤がとても残念な行動をして、申し訳ないわ」
「本人は今はどうされているんですか?」
「自宅よ。暫くは自分でした事を反省する時間が必要ね」
「そうですか…」
井上監督と高坂さんのやり取りを聞き、俺は今回の取材について改めて井上監督に伝えようと口を開く。
「昨日と重なりますがお電話でお伝えしました通り、お忙しい中で取材や見学をさせて頂きましたが、掲載をー…」
その先の言葉を言う前に、少しだけ自分の両手をギュッと握る。
「7月号の掲載を取り下げる、そう決めました」
井上監督にまっすぐ伝え、井上監督はとても悲しい表情をする。
「荒木君の取材が本当に楽しくて、毎月の楽しみだったの」
「勿体ない言葉ですが、ありがとうございます」
「どうしても最後まで続けることは…、その様子だと無いわね」
「ええ。それでも約1年間、シンクロを追いかけた事は忘れません。高坂が季刊を発案しなければ皆さんにお会い出来ませんでしたし、秋山や三輪、新人の宝条にとっても心に残るでしょう」
「……ありがとう。荒木君が取材者で本当に良かったわ」
俺の言葉に、井上監督は小さく笑みを浮かべ、右手を差し出したので、俺も右手を差し出して握手する。
「またねって言いっていいかしら?」
「はい…、選手達が前に進みましたら、また演技を取材させて下さい」
「そうね。きっと年単位でかかるけれど、人として成長した子達を見せるから、秋山君にももっと綺麗に撮って頂戴!と伝えてね」
「伝えます」
井上監督は茶目っ気に言い、最後は笑顔で一時的な別れを交わした。
監督室から出て行き、練習施設を出て、報道陣達の横を通り過ぎ、駐車場に向かい、1台の車の運転席のドアが開かれて、祐一さんが降りて俺達の所に来る。
「お疲れ様」
「本当に疲れた」
「そうだよね。稔もお疲れ」
「俺はただ話を聞いてただけだよ。さ、四つ葉に戻ろうぜ。7月号の締め切りは待ってくれないぞ」
高坂さんがそう言い、俺達は車で移動を始め、俺は助手席で車窓の景色を見る。
「仁」
「何?」
高坂さんから声をかけられ、後ろには振り替えずに返事をする。
「季刊を含め、仁が追いかけていた姿は俺も忘れないよ」
「………うん」
「祐一さ、遠回りで帰れる?」
「良いよ。高速のフードコートに寄って、お昼にしたいな」
「良いじゃん。この前は仁と麺を食べたから、今日はオムライスにしようかな」
「稔が奢って。俺は休み明けで財布が寂しんだよ」
高坂さんと祐一さんがフードコートの話で盛り上がり、俺は2人の気遣いに嬉しく思う。
「稔」
「ん〜?」
「季刊を無茶振りされた時はムカついたけど、俺が1年間追いかけたいって言った時に稔が賛成してくれたのは嬉しかった」
「ど〜いたしまして」
車のサイドミラーから稔の様子はみたら、稔は口調は明るくも表情は少し悲しげでいた。
「稔も素直じゃないな」
「そう?」
「そう」
「まぁ、2か月連続で記事が飛んだからな。今はしんどくても、これがあって対策する事も経験が出来たから良しとしようよ」
「次、誰かが原稿をビリビリに破いたら姫川に一発お見舞いしてもらう」
「ハハッ、良いじゃん。手を痛めるの避けられるし」
少し暗かった車内が明るくなり、俺達は四つ葉に戻るまで話続けた。