スウィート(!?)シェアハウス~2人の秘密の同居生活~
side荒木仁
真琴がシェアハウスを出ていくのを見送り、俺も出勤の準備をし始め歯を磨いて、鏡を見ながら改めて白シャツのボタンをしめ、ふぅっと息を吐いた。
今日でノルマ3ヶ月の結果が出て、俺達スポーツ部の今後がはっきりとする。
四つ葉に入社した頃は編集の仕事に覚えるのが必死で、高坂さんから毎日の様に駄目だしされまくっていて、2年目に編集長の打診をこのシェアハウスでされた時は驚いたな。
リビングに移動して、大きなソファに座って、ソファに置いたバックから7月号の“Scoperta”を取り出して、パラっと捲る。
田所が書いたサマーリーグも、高橋、伊東…、取材班が書いた記事はどれも良く書かれていて、企画したページも個性があって読み応えがあり、この雑誌の魅力が頭の固いおっさん達に伝わってないのが残念だ。
ふと視線を小さいソファに向け、今はこの場にいない真琴の事が浮かぶ。
『宿題の事でー』
『自分のカメラを見つけたいです』
『宿題、頑張ります』
『荒木さんの傍で書きたいです』
真琴との会話やローテーブルで必死に宿題に取り組んだ姿や、“休刊”のことを謝った時にタオルでくしゃくしゃとしながら気持ちを伝えられた姿ー…、これからも真琴に本を作るという編集の世界を好きになって欲しいし、まだ全てを教えきれていないから、絶対に“休刊”なんてさせない。
俺達が書いた言葉が読者に届くことを信じているし、製作班が締め切りギリギリまでレイアウトを仕上げてくれたからいけるはずと自信を持って言えるし、スポーツ部の皆がこれからも活躍を側で見ていたい。
黒パンツの後ろポケットにしまったスマホが揺れたので取り出し、画面をタップすると四兄弟のグループにメッセージがあったので開く。
『仁が“休刊”にならないことを信じているの、10年も付き合ってるから分かるし、俺も仁が本を作ることをこれからも見ていたいな』
『俺もだ。早く編集部に戻ってこい』
水瀬と姫川からメッセージを受け取り、四つ葉の出入りは激しいが、この2人が同期で良かったな。
『ありがとう』
いつもの様に手短に返信し、すると高坂さんから着信がきたので通話ボタンを押して耳に当てる。
『もしも〜し』
「これから四つ葉に向かう」
『俺も祐一の運転で向かっている』
「そう」
『仁』
「何?」
『ここまで頑張ってくれて、本当にありがとう。皆の力や読者を信じよう』
「ああ。……なぁ高坂さん」
『ん〜?』
面と向かって言えない気持ちを伝えるか。
「“Scoperta”の編集長に指名された時、なんで俺なんだよって思った」
『うん』
「“休刊”の対象にならなかったら、きっとずるずる過ごしてたと思うし、田所に次を譲ろうかと思った」
『え〜、田所は後数年で独立したいって言い出しそうだし、俺はまだ仁にスポーツ部を引っ張って欲しいよ』
「俺の全てを宝条さんに教えきれていないから、まだ編集長のポジションは譲らない」
空いている手をギュッと握り、これからの事を高坂さんに伝えた。
『良いねぇ。やっぱ仁じゃなきゃスポーツ部は存続しないし、後は会議室でね』
「分かった」
通話を終え、俺もリビングを出て玄関に行って靴を履いて、深く息を吐いてドアを開き、真琴の編集者人生を傍で見て支えたいし、このシェアハウスに俺とずっと過ごすためにも“休刊”を取消ししたい…、そう思いながら四つ葉に向かった。
真琴がシェアハウスを出ていくのを見送り、俺も出勤の準備をし始め歯を磨いて、鏡を見ながら改めて白シャツのボタンをしめ、ふぅっと息を吐いた。
今日でノルマ3ヶ月の結果が出て、俺達スポーツ部の今後がはっきりとする。
四つ葉に入社した頃は編集の仕事に覚えるのが必死で、高坂さんから毎日の様に駄目だしされまくっていて、2年目に編集長の打診をこのシェアハウスでされた時は驚いたな。
リビングに移動して、大きなソファに座って、ソファに置いたバックから7月号の“Scoperta”を取り出して、パラっと捲る。
田所が書いたサマーリーグも、高橋、伊東…、取材班が書いた記事はどれも良く書かれていて、企画したページも個性があって読み応えがあり、この雑誌の魅力が頭の固いおっさん達に伝わってないのが残念だ。
ふと視線を小さいソファに向け、今はこの場にいない真琴の事が浮かぶ。
『宿題の事でー』
『自分のカメラを見つけたいです』
『宿題、頑張ります』
『荒木さんの傍で書きたいです』
真琴との会話やローテーブルで必死に宿題に取り組んだ姿や、“休刊”のことを謝った時にタオルでくしゃくしゃとしながら気持ちを伝えられた姿ー…、これからも真琴に本を作るという編集の世界を好きになって欲しいし、まだ全てを教えきれていないから、絶対に“休刊”なんてさせない。
俺達が書いた言葉が読者に届くことを信じているし、製作班が締め切りギリギリまでレイアウトを仕上げてくれたからいけるはずと自信を持って言えるし、スポーツ部の皆がこれからも活躍を側で見ていたい。
黒パンツの後ろポケットにしまったスマホが揺れたので取り出し、画面をタップすると四兄弟のグループにメッセージがあったので開く。
『仁が“休刊”にならないことを信じているの、10年も付き合ってるから分かるし、俺も仁が本を作ることをこれからも見ていたいな』
『俺もだ。早く編集部に戻ってこい』
水瀬と姫川からメッセージを受け取り、四つ葉の出入りは激しいが、この2人が同期で良かったな。
『ありがとう』
いつもの様に手短に返信し、すると高坂さんから着信がきたので通話ボタンを押して耳に当てる。
『もしも〜し』
「これから四つ葉に向かう」
『俺も祐一の運転で向かっている』
「そう」
『仁』
「何?」
『ここまで頑張ってくれて、本当にありがとう。皆の力や読者を信じよう』
「ああ。……なぁ高坂さん」
『ん〜?』
面と向かって言えない気持ちを伝えるか。
「“Scoperta”の編集長に指名された時、なんで俺なんだよって思った」
『うん』
「“休刊”の対象にならなかったら、きっとずるずる過ごしてたと思うし、田所に次を譲ろうかと思った」
『え〜、田所は後数年で独立したいって言い出しそうだし、俺はまだ仁にスポーツ部を引っ張って欲しいよ』
「俺の全てを宝条さんに教えきれていないから、まだ編集長のポジションは譲らない」
空いている手をギュッと握り、これからの事を高坂さんに伝えた。
『良いねぇ。やっぱ仁じゃなきゃスポーツ部は存続しないし、後は会議室でね』
「分かった」
通話を終え、俺もリビングを出て玄関に行って靴を履いて、深く息を吐いてドアを開き、真琴の編集者人生を傍で見て支えたいし、このシェアハウスに俺とずっと過ごすためにも“休刊”を取消ししたい…、そう思いながら四つ葉に向かった。