スウィート(!?)シェアハウス~2人の秘密の同居生活~
まだかなぁと何度もスマホの時計をみたら今は午後6時になりそうで、お腹も少し空いてきてキッチンに行きたい所だけど、荒木さんが帰ってきてすぐ言いたいし、我慢、我慢。
バックから荒木さんが書いた小さなメモ紙を取り出して文章を読み返し、“一緒に帰れなくて、ごめん”の所に視線がいく。
この間は初めて一緒に帰って、その後は原稿の製作だったり荒木さんも自分の取材や会議ですれ違っていて、帰りもバラバラだったけど、野球観戦の時はふとどうするのか思ったら、まさか一緒に帰ることを考えてたとはびっくりしたし、私の考えを見抜いてたのかな?
玄関の鍵が解錠される音がし、玄関のドアが開いて荒木さんがバックとコンビニの袋を片手に持ちながら入ってきて、私はメモ紙を片手に持ちながら立ち上がる。
「おかえりなさい!」
「………」
満面の笑みで言うと荒木さんは黙ったままでいて、高坂専務の“礼を言うなら荒木にだよ”と言葉を思い出して、伝えなくちゃ。
「えっと、その、高坂専務から聞きました」
「何を?」
「今日の“社会科見学”、本当は荒木さんが私に野球の試合を見せてあげたいってことです。本当にありがとうございます。凄く楽しかったですし、この間一緒に帰った時に何気なく話したことを覚えていたんだなって、それが一番嬉しいです」
「……うん」
玄関のドアが開いたまま、一気にお礼を伝えると、短い返事が返ってきた。
「あの、今日のお礼をしたいんですけど、何かリクエストがあります?」
「リクエスト?」
「だって、ありがとうございますだけじゃ足りないですよ。あ、炒り玉子を作りますか?」
踵を返してキッチンに向かおうとする。
「………これが良い」
「うわっ」
私の左腕が急に引っ張られ、体が荒木さんの方に向いたと同時に抱きしめられ、玄関のドアがバタンと閉まる音とバックとコンビニの袋がガサっと落ちた音が聞こえた。
私は荒木さんよりも背が低く、すっぽりと包まれて、自分の顔の位置が荒木さんの心臓の近くになり、白シャツ越しに荒木さんの心音が聞こえる。
「ど、どうしてハグを?」
「お礼って言ったし、取材で疲れてるから“充電”させて」
突然のハグに動揺しつつ、頭の上から荒木さんの声がする。
「これで良いんですか?」
「これ“が”良い」
“で”じゃなくて“が”という部分が強調され、たった一文字違いでこんなにも言葉の印象が違ってくる。
「言い忘れた」
「何をですか?」
荒木さんを見上げると、本人は私の耳元に顔を近づける。
「ただいま」
四つ葉ではいってらっしゃいやお疲れ様ですとか、シェアハウスではおはようとかしか言った事がなくて、初めて帰りの言葉を交わして、しかも淡々とした言い方じゃなくて優しい声で耳元で言うし、荒木さんの息が私の耳に触れたと同時に自分の顔が赤くなっていくのが分かり、それを見られたくなくて荒木さんの白シャツに自分の顔をポンと埋める。
「おかえ…りなさ…い」
「うん、ただいま」
また優しく言う……、より顔を見られたくなくて顔を埋め、メモ紙を手から離すと紙は足元にカサッと落ち、両手を荒木さんの腰辺りに持って白シャツをギュッと握ると、荒木さんが私を抱きしめる腕の力を強くする。
突然のハグなのに荒木さんの心音が心地よくて、嫌じゃなくて安心ができて、目を閉じてずっと聞き入っていると、自分の頭の上に荒木さんの頬の感触があって、暫く2人で玄関で過ごした。
バックから荒木さんが書いた小さなメモ紙を取り出して文章を読み返し、“一緒に帰れなくて、ごめん”の所に視線がいく。
この間は初めて一緒に帰って、その後は原稿の製作だったり荒木さんも自分の取材や会議ですれ違っていて、帰りもバラバラだったけど、野球観戦の時はふとどうするのか思ったら、まさか一緒に帰ることを考えてたとはびっくりしたし、私の考えを見抜いてたのかな?
玄関の鍵が解錠される音がし、玄関のドアが開いて荒木さんがバックとコンビニの袋を片手に持ちながら入ってきて、私はメモ紙を片手に持ちながら立ち上がる。
「おかえりなさい!」
「………」
満面の笑みで言うと荒木さんは黙ったままでいて、高坂専務の“礼を言うなら荒木にだよ”と言葉を思い出して、伝えなくちゃ。
「えっと、その、高坂専務から聞きました」
「何を?」
「今日の“社会科見学”、本当は荒木さんが私に野球の試合を見せてあげたいってことです。本当にありがとうございます。凄く楽しかったですし、この間一緒に帰った時に何気なく話したことを覚えていたんだなって、それが一番嬉しいです」
「……うん」
玄関のドアが開いたまま、一気にお礼を伝えると、短い返事が返ってきた。
「あの、今日のお礼をしたいんですけど、何かリクエストがあります?」
「リクエスト?」
「だって、ありがとうございますだけじゃ足りないですよ。あ、炒り玉子を作りますか?」
踵を返してキッチンに向かおうとする。
「………これが良い」
「うわっ」
私の左腕が急に引っ張られ、体が荒木さんの方に向いたと同時に抱きしめられ、玄関のドアがバタンと閉まる音とバックとコンビニの袋がガサっと落ちた音が聞こえた。
私は荒木さんよりも背が低く、すっぽりと包まれて、自分の顔の位置が荒木さんの心臓の近くになり、白シャツ越しに荒木さんの心音が聞こえる。
「ど、どうしてハグを?」
「お礼って言ったし、取材で疲れてるから“充電”させて」
突然のハグに動揺しつつ、頭の上から荒木さんの声がする。
「これで良いんですか?」
「これ“が”良い」
“で”じゃなくて“が”という部分が強調され、たった一文字違いでこんなにも言葉の印象が違ってくる。
「言い忘れた」
「何をですか?」
荒木さんを見上げると、本人は私の耳元に顔を近づける。
「ただいま」
四つ葉ではいってらっしゃいやお疲れ様ですとか、シェアハウスではおはようとかしか言った事がなくて、初めて帰りの言葉を交わして、しかも淡々とした言い方じゃなくて優しい声で耳元で言うし、荒木さんの息が私の耳に触れたと同時に自分の顔が赤くなっていくのが分かり、それを見られたくなくて荒木さんの白シャツに自分の顔をポンと埋める。
「おかえ…りなさ…い」
「うん、ただいま」
また優しく言う……、より顔を見られたくなくて顔を埋め、メモ紙を手から離すと紙は足元にカサッと落ち、両手を荒木さんの腰辺りに持って白シャツをギュッと握ると、荒木さんが私を抱きしめる腕の力を強くする。
突然のハグなのに荒木さんの心音が心地よくて、嫌じゃなくて安心ができて、目を閉じてずっと聞き入っていると、自分の頭の上に荒木さんの頬の感触があって、暫く2人で玄関で過ごした。