スウィート(!?)シェアハウス~2人の秘密の同居生活~
星野さんが一礼して面接会場を出ていって、いよいよ面接本番なんだけど、面接をする側の人数がこんなにも多いとは思わなくて、きちんと話せるかな?

「おかけになって下さい」
「は、はい、失礼します」

私はスーツを着た男性に言われて静かに椅子に座り、バックは椅子の下に置いて4人の男性を見ると、左からパーカーを着たスポーツ刈りの人でさわやか系、眼鏡を掛けてジャケットとパンツの組み合わせがお洒落系、そしてスーツを着た人はずっとにこにことしていて、最後は日に焼けた肌に髪の毛がモジャモジャとした人は性格がきつそうな感じがした。

「先ずは自己紹介から。私は専務の高坂です。本日は当社にエントリーをして頂き、ありがとうございます。同席しているのは我が四つ葉出版社が発行している各雑誌の編集長で、私が紹介します」

スーツをビシッと着こなしている高坂専務から紹介をされたのは、パーカーを着ているのが『Scoperta』の田所副編集長、眼鏡をかけているのは『Clover』の水瀬編集長、そしてモジャモジャ頭の男性は『Focus』の姫川編集長で、『Scoperta』の編集長は本日不在とのこと。

「早速ですが、宝条さんが我が社の雑誌の中で携わりたいのはどれですか?」

高坂専務の質問は直球で、私が携わりたいのは只1つだから、手をきゅっと握って口を開く。

「私はスポーツ雑誌の『Scoperta』に携わりたいです」
「へぇ、どうして『Scoperta』に携わりたいのかな?女の子はファッションが好きだから水瀬がいる『Clover』とかじゃない?」

高坂専務はにこりとして腕を組みながら、興味津々な眼差しで私を見る。

「父が『Scoperta』を私にみせてくれたことがありました。正直、今までスポーツの雑誌は読んだことが無いのですが、その中でスポーツを裏で支える人の記事を担当された方の文章を読み、とても惹き付けられたんです。その人の傍で学び、読者を惹き付けられるようになりたい、それが『Scoperta』に携わりたい理由です」

緊張のあまり昨日から考えていた言葉は正確じゃないけれど、どうか伝わって欲しいと一気に話した。

「今の宝条さんの言葉、ジンに聞かせたかったな。面接の当日に居ないなんて、すっごく勿体ないなぁ」
「そうですね」

高坂専務と水瀬編集長が嬉しそうにしているのを見て、あの記事を担当した人は"仁"と書いて"ジン"と読むんだ。

それからは質疑応答を繰り返し、面接の結果は郵送されることを説明され、四つ葉出版社の面接を終えた。
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