スウィート(!?)シェアハウス~2人の秘密の同居生活~
◆新生活の準備
無事就職先が四つ葉出版社に決まって、次に新生活として住む場所を決めなくちゃと以前『Clover』のサイトで見た南◯駅から徒歩10分位の荒木不動産の中に入ると、受付にいる女性が私に気づいて立った。

「いらっしゃいませ。ご来店ありがとうございます」
「就職が決まりまして、1人暮らしの部屋を決めたいんです」
「それはおめでとうございます。あちらのお席にお座りになってお待ちください」

女性から円形の机と椅子があるスペースを案内されたので椅子に座ると、女性は一度受付の近くにある棚からファイルを幾つか取りだして私の対面の椅子に座った。

「この度はご就職おめでとうございます。わたくしは荒木一美(あらきかずみ)と申しまして、お部屋のご案内を担当しています。ご希望される条件はどのようなものですか?」
「宝条真琴と申します。希望をしているのは職場の最寄り駅が藍山駅なので、通勤に支障がない地域に住みたいんです」
「え……」

私が駅の名前を言うと、何故か荒木さんはハッと目を見開いたので、私って何か可笑しな事を言った?

「あの、差し支えなければ、宝条様のお勤め先を教えていただけますか?」
「四つ葉出版社というのですけど」
「……少々お待ちください」

私が四つ葉出版社の名前を告げると荒木さんは少し黙ってから椅子から立ち上がって、本棚の中から青色のファイルを取り出して戻ってきた。

「お勤め先の最寄り駅が藍山駅でしたら、通勤手段や移動の時間を含め、こちらのシェアハウスをお勧めいたします」

荒木さんに見せて貰ってたシェアハウスの外観は2階建ての洋風で壁は白くて屋根はベージュ色、間取図は1階がキッチンとリビングとお風呂や洗面所があり、2階は6畳の洋室が2部屋と和室の部屋が1つで、それぞれの洋室にはベランダがあるし、こうした一軒家は豪華だと思うけど家賃はどうなんだろう。

「あの…就職したばかりの私のお給料でも、こうしたシェアハウスに住めますか?」
「こちらのシェアハウスはS県になりますが都心に比べて相場も安く、住みやすいです。もしよろしければ、この後ご見学が可能です」

うーん、説明だけじゃ分からない部分もあるし、長く住むとなればちゃんと自分の目で見たいよね。

「是非お願いします」
「かしこまりました。車を用意しますので、外でお待ちください」

外で待つと荒木さんが載った普通乗用車が不動産の前に停車し、私たちは車に乗るとシェアハウスに向けて出発した。
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