夫婦ですが何か?Ⅱ
「千麻ちゃーん?」
「・・・・はい?」
「フフッ・・・何か考え事?」
「ちょっと・・・・夫婦論に哲学入ってました」
「あははっ、哲学!?」
「目指すところは縁側でお茶飲み微笑む夫婦かと・・・」
「フハッ・・・ウチマンションじゃん!?縁側ないしっ・・ハハハハハ・・・」
思いっきり彼のツボを刺激したのか、笑わせるつもりでなかった理想論に噴き出され眉根を寄せては見たけどすぐに離す。
確かに縁側はない。
一生ここに暮らすとは限らないけれど・・・・ああ、なら・・・。
「年老いても・・・ベランダで日本酒酌み交わす夫婦はいかがでしょう?」
ニッと口の端をあげての再提案。
その言葉に予想通りに馬鹿笑いをやめ、フッと柔らかく微笑んだ彼の返答。
「それ・・・最高・・・・」
「では・・・そうなるように夫婦論を勉強しましょうか?」
「・・・・・勉強より・・・実践が全てでしょ?」
悪戯に弧が強まった唇が当然の流れのように唇に押し当てられて、予測済みだったそれを【従順】に受け入れ目蓋を下す。
ようやく軌道修正。
そんな風に体に触れはじめた彼の手にそっと指先を絡めて制止すると、確認するように離れた唇と至近距離で絡んだ視線。
「何?・・・今更【出直し】?」
「いえ・・・でも一つ問題をあげれば・・・」
「何?」
「ミ〇とスナフ〇ンは異父兄妹だなぁ。と、」
「えっ、そうなの!?知らなかった!!実は千麻ちゃんって昔のアニメとか詳しいよね」
「だから・・・罪悪感走るわお兄様?」
「フッ・・・もう・・・黙って・・・・」
私のちょっとした意地悪の待ったにクスリと笑うと言葉を奪う。
結局私達夫婦が回帰する時間はコレ。
揉めて、喧嘩して、意地張って、すれ違って・・・・。
でも最終的に解決委ねるのは嘘のつけないお互いの温もりなんだ。
背中に固い床の違和感得ながら揺らされ溺れて、でもしっかり胸に抱く存在に安堵。
意図的に絡んできた彼の指先で、自分と彼を結ぶ証を左手に捉えて更に浸る。
過去には煩わしく重かった指輪(もの)が今は最強の防御品だと感じて口の端を上げ。
今日この時間のこの瞬間でさえも理想の夫婦にたどり着くまでの礎になるのだと感じ、でもすぐに現状には不必要な思考だと自ら手放し欲に溺れた。
夫婦に理屈もない。
正解も形もない。
多種多様で状況も条件も様々だから面白いしトラブルも起きる。
これは後々得た事だけども。