私の愛した未来



「お前!春子に何してんだよっ!!!」



スゴイ怒鳴り声と共に
林くんが私から引き剥がされるように後ろへ倒れる。



それと同時に見えたのは
すごく焦った表情の未来だった。



恐怖と安心から私は腰が抜けてその場に座り込む。


…怖かった…。




「春子っ!」


未来が私の元に駆け寄る。


そしてそのまま未来に抱きしめられた。



「みっ…未来?」


「ごめん、ごめん…守ってやれなくて…ごめんな。」


その言葉に溜まっていた涙が溢れる。



「ぅ、うぅ…み、みらぁぃ…」


未来にしがみつく。

いつぶりに泣いたんだろう。




パッと未来は私の顔を見て
困った表情になった後


すぐに後ろの林くんの方を振り向く。


どんな表情をしてるのか分からないけど、後ろ姿で怒っているのが伝わる。


私のために…怒ってくれてる。



「林。春子のこと泣かせてんじゃねぇよ!」


今にも掴みかかりそうな未来を
私はその手を必死に掴む。


「春子…離せよ…」


「ダメッ!」


「一発殴らせろ。」


「そんなこと絶対ダメ!」


未来はアイドル。
私のために人を殴って問題になったら
未来がつぶれちゃう。



「春子っ!」


「やだ、離さないっ!」


私の熱に押されたのか
はぁっとため息をついて林くんの方をじっと見た。


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