その笑顔反則につき。

ひ、人混み…


せっかくの休みなのにぃ。
読書日和なのにぃ。


「ほらぁ!いきますよぉ~」


元気だなぁ。


お洋服屋さんにゲームコーナーにアクセサリーコーナー。


次々回っていく。



うん。
佳奈美ちゃん今日は来れなくて良かったと思うよ。

うん。
土に帰る勢いだよ?



「疲れたからそろそろカフェに行きますかぁ?」



「そうしよっか」




正直助かった。
私今何円残ってるんだ?
まぁ、お茶するだけだし。
どうにかなるか。




「ねぇ涼香」



「何?アイス溶けちゃうよ」



「世緒と何かあったわけですぅ…か?」



ギクッ




「な、んにもない」




「ふぅ〜ん。で何があったのぉ」




真里はまったりしているだけのギャルかと思ったらそんなことはない。

接点がない男子には辛辣。

気を許したらそんな事はないし友達思いな女の子。


…とっても鋭いし。





「世緒が遠く感じたって言うか。…世緒に惹かれてる自分が嫌と言うか」




「乙女だね。世緒は器用なだけで遠くは無いよ」




「うん」




「一番わかってるのはぁ、涼香だしね」





「うん」






コーヒー苦い。
カップを覗きこむと無理に笑っている自分と目が合う。



「真里、せわーない」




「なにそれぇ」




一気にコーヒーを飲み込み気分を変える。
マイナス思考どうにかしなくちゃ!


ちょっと遅れた高校デビューするぞぉ!!



「元気でたみたいだねぇ」



「うん」


  



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