その笑顔反則につき。

体育祭




登山が終わり来月に体育祭という大きなイベントがある。
いやー、大変だ。 


うちのクラスの応援団は桃田くんと植木翡翠さん。


植木さんは派手なグループに所属してて、クラス委員の佳奈美ちゃんをパシリに使ったりするので私は苦手。


(男子の前ではいい子ちゃんの集り)


植木さんは桃田くんを狙っているらしいが彼は一途だからさっさと告って振られればいいのに。



世緒は保健体育委員だから準備やらが大変らしい。



気乗りしないランキング一位の体育祭だけど頑張ります!



日焼け止めも買わなきゃか。





「涼ちゃんはどの種目に出ますか?」





考え事をしていたら前の席の佳奈美ちゃんが声をかけてきた。


いや本当に何にも競技については考えていなかった。


「決めかねてるかなぁ。佳奈美ちゃんは決めた?」



「はい!玉入れとパン食い競争です」





うん。
すごいぴったりだと思う。
危なくないし。

 


「パン食いのパン美味しいらしいしね」




「はい!!」






黒板を見てみると人気が無いのが男女の二人三脚と選抜リレー。

え?

選抜リレーて立候補制なの。



 

「涼香早く決めないとやりたいのに出れないぞぉ」




今の今まで顔をうつ伏して寝ていた世緒が起きたようだ。
それは彼にも言えると思うがあえて言わないでおく。



だってどの種目に出ても活躍間違いなしだし。




「どうしようかな。でも、男女の二人三脚は出ようかと思ってるんだけど」




「な、なんで!誰と出るの?」




急にぐいぐいくるなぁ。
正直誰が出るのかとか知らないけどさ。



「えっと…クラスメート?」




「じゃ、俺と出よ。クラスメー卜だよ俺!お得物件!!」




アピールし過ぎだから。
ちょっと目立ってるから。
世緒と出れたらいいなぁとか考えちゃてたけど…



「私でいいの?」




「よっしゃ!久良男女二人三脚のところ俺と涼香な」




ガッツポーズと供に桃田くんに報告してるし。
そんなに出たかったのかな、二人三脚。




「なら、俺と真里もかいとけ久良」




絵馬くんのこの一言で騒がしかったクラスが凍りつく。
クラスメートだって毎日毎日喧嘩してたら地雷踏んだってすぐわかる。




「誰かこんな奴と!私涼香と出るし」




「残念涼香は世緒と出るんだよ」





ギャーッ!




その後うまく絵馬くんが真里を大人しくさせたんだけどね。




後一競技出ないといけないんだよねー。





「広瀬ちゃんって足速かったよねぇ!」





びっくりしたぁ。
だって植木さんが急に話しかけてきたんだよ!




「そんなことないよ」



 
黒板を見ると選抜リレーの欄が空いていた。
競技を決めかねているのは私と後はバリバリ文系の倉橋さんだけ。



そう言うことか…




「植木さん私選抜リレー出るよ」




「ホント!ありがとぉ~。広瀬ちゃんマジ感謝」




多分だけと当日私に恥をかかせたいだと思う。
植木さんのグループには色んな人がいるから。




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