勝手に古今和歌集








「この歌の真意を理解するには、平安時代の人々が夢のことをどう考えていたのかを知る必要があります」






古典の三木先生が、流れるようにきれいな文字で、黒板に『夢についての考え方』と書いた。





お、なんだか面白そうな話だぞ。



と思って、あたしはノートの隅っこにそれを写した。






「じゃあ、林さんに訊きます。

もし、あなたの夢に、高橋くんが出てきたら、あなたはどう思いますか?」






突然指名された、明るくて人気者の林さんが、嫌そうな表情で「えぇっ」と言った。






「先生、ありえないです!

私が高橋なんかの夢見るなんて!」






するとお調子者の高橋くんが、「はぁ?失礼だぞ林!!」と怒鳴り返して、みんながどっと笑った。






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