もう、誰も好きにならない。
「典型的なイジメに遭ってんのな、オマエ。 水かけられるとか、マンガかドラマでしか見た事ないわ、オレ」
二宮くんは、どうして去り際にいつも話し出すのだろう。
仕方なく足を止める。
「さっさと家帰れよ。 風邪引くぞ」
『さっさと帰れ』と突き放されてはいるのだけれど『風邪引くぞ』と気に掛けてくれた二宮くんに、ちょっとビックリした。
「・・・・・・・・・・・・帰れないんだよ。 親にバレたら厄介だから」
とりあえず質問に答えると
「フッ・・・・・・・・・確かに」
二宮くんが、バカにしながら嘲った。
風邪を引くのも自業自得と言う事か。