もう、誰も好きにならない。
二宮くんの背中に、自分の身体が密着してしまった。
ヤバイ。 二宮くんが濡れてしまう。
慌てて身体を剥がそうとすると、またもワタシの手を引っ張って自分の腰に巻きつけ直す、二宮くん。
「別に着替えるから濡れてもイイって言っただろうが。 くっついててイイから。 寒いんだろ?? もう少しの辛抱。 オレん家まであともうちょいだから」
二宮くんの気遣いに、涙が出そうになった。
こんな時、それが同情であったとしても、差し伸べてくれる手は有難い。
「・・・・・・・・・・ありがとう。 二宮くん」
どうせ、水か涙かなんて分からないだろう。
二宮くんの背中に顔を押し当て、泣いた。