もう、誰も好きにならない。
「二宮くんお願い!! 何でもする!! 二宮くんの言う事、何でも聞く!! だからお願い!! 今日見た事、誰にも言わないで!! お願いします!!」
ワタシたちを蔑む二宮くんに、頭を下げて懇願。
川田くんに嫌われたくないの。 今日の事を後悔して欲しくないの。 これからも、川田くんの傍にいたいの。
「何の為にオレが黙ってなきゃいけないんだよ」
きっと、二宮くんはワタシの腹の内を見透かしている。
本当の事など、言ってはいけない。
「・・・・・・・・・・・・里奈を悲しませたくない」
歯の浮く様なキレイ事を漏らすと
「馬鹿じゃねぇの。 だったら普通最初から友達の男になんか手出さないだろ。 自分の保身の為だろうが。 ふざけてんじゃねぇよ」
二宮くんが、嫌気が刺した様な笑みをワタシに向けた。