薔薇の夢をあなたに
清らかな川には一本の端がかけてあった。
「これは…?」







木材と石でできた小さな橋。とても細かな装飾の施されたその橋は、芸術品のようだった。









「とにかく奥へすすもう…」私たちはその橋を渡り始めた。
中ほどまで来た時だった。
ビュっと風を裂く音がした。馬車が止まる。











顔を出すと私たちの馬車をぐるりと何本もの矢が取り囲んでいた。
行く先には何人ものフードをかぶった人たちが、弓を張ってこちらを狙っている。








私は振り返った。後ろも同じような状況だ。「くっ…囲まれたか…」










「人の子よ。ここはあなたたちが来るべきところではない。帰りなさい。」鈴のように軽やかな声がする。
きっとあのフードの集団の中の誰かだろう。










「ちっ、どうやら歓迎されてないみたいだな。」
「私が行くわ。」私はルビーを肩にのせ、馬車を飛び降りる。










「ジュリエット!何やってる!」「大丈夫よ。任せて。」
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