月明かりと薄桜 -誠の絆-

チラッと彼の目を見ると

意地悪そうな目が私を見つめていた

そして私の視線に気がつくと

にんまりと怪しい笑みを見せて



「君って意外と寂しがり屋なんだ?」


なんかバカにされてる気がする…



「そ、そういう訳じゃありません…!」

「へえ?」


思わずむきになってしまって

その反応が面白かったのか

沖田さんは挑発するかのような言い方で

ニヤニヤと笑っている



確かに、寂しがり屋かそうじゃないかって

聞かれると

寂しがり屋…なのかもしれない


家にはずっとお父さんしかいなくて

兄妹もいなかったから

一人っていうのはあまり好きじゃなかった



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