月明かりと薄桜 -誠の絆-


「左之さん…いつからそこにいたんですか?」


いつかの斎藤さんみたいだった

壁にもたれかかって

私に向かって微笑んでる


まあ

体が大きい左之さんは

斎藤さんよりも何倍も目立ってるけど…


すると左之さんは

ふっと笑みをこぼして

一歩こちらへ足を進めた

すると私の目をじっと見つめて




「総司のこと、分かってるんだろ?」



そう一言言った

総司のことって…?


それだけじゃ私は理解できなかった

左之さんの言ってる意味が


すると今度は

彼は大きなため息をついた




「アイツが素直な時なんて滅多にねえよ」

「そうですけど…」




確かに沖田さんはちょっとひねくれもの

いや、かなりのひねくれもの

でも素直な時はちゃんとあった




私を守ると言ってくれた日

あの人は嘘をつかなかった

私を守ると言って抱きしめてくれた

一人にしないって約束してくれた




左之さんは私を励まそうとしてくれてるんだろうけど


今回は気持ちは沈んだままだった




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