月明かりと薄桜 -誠の絆-
「山崎くんには護衛についてもらう」
どっしりとしたかまえで
"俺に任せろ"
というように近藤さんは胸を張った
「島原に長州の奴らが出入りしてると聞いてな。女の神崎くんなら芸子として一番接近できるだろう。」
"長州の奴ら"
長州というのは
もちろん、長州藩のことである
幕府側の新選組と
倒幕派の長州藩は敵同士であり
長州は以前の池田屋事件にも関係していた
「要するに私は間者として情報を手にすればいいんですね?」
「おい、凛…!」
間者というのは今で言う"スパイ"
私がこの任務を断ると思ってたのかな
左之さんが声を上げた
みんな険しい顔をしたまま
スパイ…私ならできる
他の隊士の方にさせるなんて絶対無理だし
私なら新選組の関係者なんてバレないはず
新選組のみんなの役に立てるなら…
少しでも何か力になれるのなら
「私にできることならやらせていただきます」
やるって決めたら貫き通す
心配しないで…?
私はそんな弱くない