月明かりと薄桜 -誠の絆-



「山崎くんには護衛についてもらう」


どっしりとしたかまえで

"俺に任せろ"

というように近藤さんは胸を張った




「島原に長州の奴らが出入りしてると聞いてな。女の神崎くんなら芸子として一番接近できるだろう。」



"長州の奴ら"

長州というのは

もちろん、長州藩のことである


幕府側の新選組と

倒幕派の長州藩は敵同士であり

長州は以前の池田屋事件にも関係していた



「要するに私は間者として情報を手にすればいいんですね?」


「おい、凛…!」



間者というのは今で言う"スパイ"


私がこの任務を断ると思ってたのかな

左之さんが声を上げた

みんな険しい顔をしたまま


スパイ…私ならできる

他の隊士の方にさせるなんて絶対無理だし

私なら新選組の関係者なんてバレないはず



新選組のみんなの役に立てるなら…

少しでも何か力になれるのなら



「私にできることならやらせていただきます」



やるって決めたら貫き通す

心配しないで…?

私はそんな弱くない


< 249 / 305 >

この作品をシェア

pagetop