君は家族
ちょうどよく後ろを通りかかった
結岐春に、柚季は平然と言う。

「お前も、こりないなあ~…!六年の修学旅行でも、同じことやらせやがって」

「え~!けど春!私どうしても、鈴音ちゃんと同じ班になりたい!」

ははは、と苦笑いを浮かべる私を見て
結岐春は、堪えきれない!と言うように
吹き出した。

「え?え!?ちょ、結岐くん?」

「はは!敬語とかじゃなくていいし、呼び捨てでいいよ。それにしても柚季、鈴音さんの事困らせてるでしょ」

困らせてないもん!と、ぷんぷん怒る柚季を、はいはいと沈めて結岐くんはこちらを見た。

「俺も、呼び捨てでいい?」
「うん、どうぞ?」

そう言うと、誰にも聞こえないくらいの声で結岐くんは すずね と呟いた。

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