魔恋奇譚~憧れカレと一緒に王国を救うため、魔法使いになりました
 勇飛くんが片手を私の額に当て、反対の手を自分の額に当てた。

「セリ、熱があるのか?」
「熱なんかないってば」

 私が赤くなりながら言うと、図書館のからかうような声が降ってくる。

「ほーう。セリはその剣士に惚れておるのか。なんならそやつに魅了魔法をかけてやろうか」
「や、やめてよ! 余計なコトしないで!」

 思わず言うと、勇飛くんが驚いたように手を離した。

「ご、ごめん」

 私はあわてて言う。

「ううん、違うの、勇飛くんじゃなくて図書館さんに言ったの。だって図書館さんってば……」

 言いかけて口をつぐむ。

「何?」

 勇飛くんに訊かれたけど、首を振った。

「何でもない。私、今から少し図書館さんと話すけど、それは熱があるからでも頭がどうにかなっちゃったわけでもないからねっ」
「わ、わかりました」

 邪魔しません、というように勇飛くんが胸の前で小さく両手を挙げた。

 私は小さく咳払いをして図書館さんに言う。

「あのね、今日は旅に持って行けそうなダイジェスト版の本を探しに来たの」
「ダイジェスト版とな?」
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