魔恋奇譚~憧れカレと一緒に王国を救うため、魔法使いになりました
「うん。というより気づいたら朝だったの。あんな寝心地の悪いベッドでも結構眠れちゃったから、夜中に何かされててもわからなかったかも」
「ホントかよ?」
勇飛くんが体をこちらに向けて真剣な表情で見つめてくるので、私はあわてて両手を振った。
「え、や、やだなぁ、大丈夫だよ。何もなかったって。ああ見えてマスター・クマゴン、村の影の権力者とか言いつつ、ただの親切ないい人みたいだから」
「ホントに?」
「うん」
「ホントにホント?」
「うん」
「そっか」
勇飛くんがようやくホッとしたように視線を川面に向けた。
ねえ、すごく気にしてくれてたけど、それってもしかして、私とクマゴンのことが気になったってこと?
私はそっと杖を取り上げ、勇飛くんに向けた。
「あなたはもう私の虜になる。ファシネーション……」
つぶやくように呪文を唱えて杖を動かす。不思議そうに私を見た勇飛くんの鳶色の目が、午前の陽の光を反射してきらりと光った。
「セリ」
「は、はい」
呪文が効かなかったのかな、と思った直後、いきなり彼に両手首をつかまれた。
へ、変な呪文をかけたのを怒ってる?
けれど、次の瞬間には草の上に押し倒されていた。
「ホントかよ?」
勇飛くんが体をこちらに向けて真剣な表情で見つめてくるので、私はあわてて両手を振った。
「え、や、やだなぁ、大丈夫だよ。何もなかったって。ああ見えてマスター・クマゴン、村の影の権力者とか言いつつ、ただの親切ないい人みたいだから」
「ホントに?」
「うん」
「ホントにホント?」
「うん」
「そっか」
勇飛くんがようやくホッとしたように視線を川面に向けた。
ねえ、すごく気にしてくれてたけど、それってもしかして、私とクマゴンのことが気になったってこと?
私はそっと杖を取り上げ、勇飛くんに向けた。
「あなたはもう私の虜になる。ファシネーション……」
つぶやくように呪文を唱えて杖を動かす。不思議そうに私を見た勇飛くんの鳶色の目が、午前の陽の光を反射してきらりと光った。
「セリ」
「は、はい」
呪文が効かなかったのかな、と思った直後、いきなり彼に両手首をつかまれた。
へ、変な呪文をかけたのを怒ってる?
けれど、次の瞬間には草の上に押し倒されていた。