魔恋奇譚~憧れカレと一緒に王国を救うため、魔法使いになりました
勇飛くんが考え込みながら言った。
「それなら、狙われたのはマスター・クマゴン?」
私の言葉に、男性が首を振る。
「それは考えにくいですね。マスター・クマゴンが毎週月(つき)の日に薬草摘みに行くことは、誰もが知っています。邪魔にならないように、猟師も森に入らないくらいです。ですから……」
彼の言葉に、私はゴクリと喉を鳴らした。
「火の不始末でないとしたら、まさか、私のことを心底嫌いな人がいて……?」
「それはないよ」
勇飛くんが安心させるように微笑んで言った。
「でも、魔法使いはすごく嫌われてるのよ? どこにいたってそれはわかる。大人たちは私があいさつしても目を合わせようとしないし、たまに話しかけてくれる子どもたちがいても、どこからか親が出てきて、家や店の中に連れ帰ってしまう。あんなに疎ましく思われてるんだもの、本気で消してしまいたいと思われても……」
話していて自分でぞっとしてきた。背筋を冷たいものが這い上がり、自分で自分を抱きしめた。勇飛くんが私の肩にそっと手を置いてくれた。そのわずかな重さと温もりが、私は孤独じゃないと教えてくれる。
「それなら、狙われたのはマスター・クマゴン?」
私の言葉に、男性が首を振る。
「それは考えにくいですね。マスター・クマゴンが毎週月(つき)の日に薬草摘みに行くことは、誰もが知っています。邪魔にならないように、猟師も森に入らないくらいです。ですから……」
彼の言葉に、私はゴクリと喉を鳴らした。
「火の不始末でないとしたら、まさか、私のことを心底嫌いな人がいて……?」
「それはないよ」
勇飛くんが安心させるように微笑んで言った。
「でも、魔法使いはすごく嫌われてるのよ? どこにいたってそれはわかる。大人たちは私があいさつしても目を合わせようとしないし、たまに話しかけてくれる子どもたちがいても、どこからか親が出てきて、家や店の中に連れ帰ってしまう。あんなに疎ましく思われてるんだもの、本気で消してしまいたいと思われても……」
話していて自分でぞっとしてきた。背筋を冷たいものが這い上がり、自分で自分を抱きしめた。勇飛くんが私の肩にそっと手を置いてくれた。そのわずかな重さと温もりが、私は孤独じゃないと教えてくれる。