世界で1番愛する君へ~君に届けるラブソング~



そしてまた今日も学校が終わり私はいつもの道を帰った

なにも目に入ってこない気がした

世界が真っ白になったみたいだった


帰ったら何をしようか

明日は県立入試の本番だ

多くの生徒は大抵県立に行きたいと志願するからみんな今ごろ必死に勉強してるんだろうな

最後の詰め込み

大変だろうな

そのため明日は学校が休みとなる

しかしそんなの私立の高校へもうすでに行くことが決まっている私には全く関係のないことなのだが

カナウ君は明日試験かな?

県立に行くかどうかすらも教えてはくれなかったカナウ君は今日も無言で教室を出た

バイバイの言葉をスルーされるのにはもう正直なれて逆に今更されてもそれはそれで怖い

このぐらいの微妙な距離感が丁度いいはずなのにまだまだカナウ君が足りない私はまた欲張りになって今すぐ会いたくなった

実は知ってるカナウ君の家を訪ねたい

迷惑だって分かってる

それでも会いたくてしかたがない

知ってる理由は家までついていったとかそんなんじゃなくてきっかけは年賀状だった

あれは本当に大変だった

なんとかお願いして私はカナウ君から住所を聞き出したのだ


冬休み前の冷めきった窓の外

ほどよく暖かい教室のなか

二人きりになったあの放課後に私の心臓は爆発寸前で、ダメもとでも…ダメもとだと分かっていても必死にお願いした

冬休み前のこと


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