ピンクパンサー



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今考えてみれば、なんであのとき「うん」って言うたのかもわからないし、


なんで急に裕太が
告白してきたのも
わからない。



単に彼女が欲しかったのか…


それとも昔から
あたしのことが好き
やったのか…




いやいや。

んなアホな。






「莉緒。帰るで」



…普通に迎えにくるし(怒)




悪いなって思へんねかな




…もう別れちゃおっかな…




「…まだ怒ってんの?」


「…“まだ”?
その考えが腹立つねん」


「はぁー…。」



…ため息ついた?


なんで?

なんでよ


ため息つきたいのは
こっちやわ……。



なんで誕生日にバイト
入れんねん


それってあたしのこと
大切に想ってないって事?




…もういやや……



「…あたしひとりで帰るから」


「は?なんで……」




あたしはその場から
走って帰った。




ちょっと走って止まって
後ろを振り返ってみた。



…やっぱり追いかけてない



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